“自分にあった仕事”の見つけ方…「クロネコヤマトの宅急便」創始者の仕事観
【連載】「あの名言の裏側」 第6回 小倉昌男編(1/4)目の前の仕事に惚れよう
小倉氏は、ロングセラーを続けている名著『経営学』をはじめ、何冊かの自著を遺しています。多くのビジネスパーソンたちから支持され、愛読書として挙げられることも少なくない小倉氏の著作には、示唆に富んだ数々の名言が溢れているのですが、今回は悩める若手に向けられた小倉氏のメッセージを取り上げたいと思います。
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人生は一度しかないから、嫌いな仕事をしたくないという気持ちはわからないでもない。だが、本当に自分の好きなことだけをして生きている人間が、この世の中に一体どれだけいるだろうか。
(中略)
やりたいことをやるには、やりたくない作業もしなければいけないのが仕事というものだ。
(中略)
それに、「やりたいことが見つからない」という若者は、どこかに必ず自分にピッタリ合った仕事があって、いつかそれに出会えるはずだという錯覚を持っているような気がしてならない。
(『「なんでだろう」から仕事は始まる!』より)
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これは「自分のやりたいことが見つけられずに、悩んでいる若者が多いらしい」という一節から始まる「目の前の仕事に惚れよう」という文章からの言説です。ここだけ読むと、「やりたくないことでも、黙ってやれ」と押さえつけられてしまうような窮屈さを感じてしまうかもしれません。
しかし、小倉氏はこう語りかけます。
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私に言わせれば、それは順番が逆である。どこかに「好きな仕事」があるのではなく、目の前にある仕事を好きになれるかどうかが大事なのではないだろうか。
いつか好きな仕事に巡り合えると思っている人は、「いつか白馬にまたがった王子さまが私を迎えに来てくれる」と夢見心地で信じている少女に似ている。しかし、それはファンタジーにすぎない。
現実の恋愛や結婚を考えれば、そういうものではないことはすぐにわかる。どこかに「理想の相手」がいるということはない。まず現実の出会いというものがあり、その相手を好きになるのだ。
(『「なんでだろう」から仕事は始まる!』より)
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